これはサザンカ山茶花、その控えめで寂しげな風情は、日本人にとってはどこか郷愁を感じさせる花であり、童謡にも歌われて親しまれ、日本の園芸文化には欠かせない花木です。枝先に5~7弁の花を開き、自生種は白の一重咲きですが、園芸品種には白からピンク、濃赤、淡赤、ぼかし、八重、半八重、縁が紅色になるもの、香りのあるものもあり、バリエーションが豊富です。よくツバキと間違えられますが、サザンカの葉はギザギザとした小型で、新梢には毛があり、花弁は1枚1枚離れ、花にほのかな甘い香りがあります。またツバキは花がまるまる落ちるのに対し、サザンカは花びらがヒラヒラと舞い落ちます。花期もツバキは、カンツバキ以外は春先に咲きますが、サザンカは晩秋から冬にかけて咲きます。花言葉は、愛嬌・あなたは美しい・永遠の愛です。撮影:長崎県壱岐市岳ノ辻