これはモミジ黄葉、晩秋、野山を彩る紅葉(もみじ)は、雪月花、時鳥(ほととぎす)とともに五箇の景物と称され、和歌、文芸、芸術の中で重んじられてきた。紅葉は日本人の愛でる自然美の代表的なものである。楓(かえで)など赤くなるものは“紅葉”、銀杏(いちょう)など黄色くなるものは“黄葉”と書き、ともに「もみじ」と読む。日照時間の長い夏、樹木の葉は光合成を行うためのクロロフィル(葉緑素)をたっぷり持っており、緑色に見える。しかし、秋も深まり日が短くなると、葉は光合成をやめるため、クロロフィルは分解されていく。すると、もともと葉の中にあった、カロテノイドと呼ばれる色素が目立ち始め、葉は黄色く色づく。これが「黄葉」である。(季語めぐり~俳句歳時記~より)撮影:福岡県田川郡添田町英彦山